胸の大きい女性の、それなりの苦労なんて美咲から説明されても俺にはピンと来やしない。

 せいぜい、あーそんなんだって言うぐらいの認識しか持てない。

 その美咲は、嫉妬混じりで小出さんについて言う。

「あの人ってホント、モテモテだよねぇ? 受付嬢の中で一番、人気者だし」

 その事について、俺は質問してみた。

「どうしてだと思う? どうして、彼女が一番モテモテなのか分かるか?」

「それってきっと…、可愛いくて巨乳っコだからでしょう?」

「それだけ?」

「スタイル抜群」

「それだけ?」

「他に何かある?」

「人間性だよ」

「人間性?」

「女どもから見れば何とも思わないかもしれねーけど、俺たちから見ると小出さんは優しそうな雰囲気を感じるんだ。なーんか、癒されそうだし」