「さっきも言ったようにチーム江崎をもっともっと大きくして、いずれは派閥組織を統一させる。目的が達成した暁には、江崎先輩がグループの頂点に君臨する。先輩なら、このくらいの事を考えていると思うんですよねぇ?」

 苦笑いをする江崎先輩。

 回りの人たちからせせら笑いの声が湧き上る。

「板倉さんってホント、飛躍的な考えをする人なのねぇ。感心しちゃうわ」

 皆の冷たい笑い渦の中で、私は取り乱したりする事なく落ち着いた口調で言い返した。

「そう言う江崎先輩は、自分の事しか考えない身勝手な女性ですよね?」

「この私が?」と、江崎先輩はキッと固い表情を見せた。

 もっと言っちゃえ。

「気に入らない人たちを平気で苦しめちゃうし、人の恋を邪魔して壊しちゃうしね」

「失礼ね、私はそんな薄情な女じゃないわよ」