「自分たちの組織を拡大させて、会社での権力を絶対的なモノにする! そうなれば江崎先輩ご自身は、女子社員全員のトップに君臨出来る。どうせ、そんなツマラナイ事が目的なんでしょう?」

「…」

 ジッと私の目を見る江崎先輩。

「随分と飛躍的な考え方ねぇ。私にはそんな野心は無いけどね」

「じゃあどうして、チーム江崎を主体にするんですか? 私たちが先輩のグループに入らなければならない理由が分かんないけど?」

「アナタの所って、この会社の派閥組織の中で一番の弱小グループでしょう? 組織力は弱いし、立場も不利。それに比べて、我がチーム江崎は会社内では絶対的な権力を持っているし上層部との信頼は厚いわ。人事や仕事の面でも私たちの方が有利だしね」

「だから、先輩たちのグループに入った方が得だって言いたいんですか?」