それにしてもだ。

 和也と親しそうに会話する小出さんの笑顔を見てると、どっちの相手が本命なのか見分けが付かなくなってしまう。

 何も知らない和也は、相変わらずデレデレしちゃって。

 さーってと。

 今日はもう仕事は終わったから帰ってもイイんだけど、残念ながらまーだ
会社に残らなくてはならなかった。

 あの江崎先輩から呼ばれているからだ。

 嫌な気分のまま、重い足取りで総務課の部屋へと行く私。

 総務課でも既に業務は終わっていた。

 男子社員たちは殆ど帰宅しているけど、女子の方はまだ残っている。

 そう。

 チーム江崎の人たちが残っているのだ。

 1人が私を部屋の奥へと連れて行く。

 応接室である。

「待ってたわ。お座りなさい」