和也がいつものように、外回りに出かけ始めた。

 受付カウンターで小出さんにネクタイの乱れを直してもらって嬉しそうだ事。

 こう言う事の為に、ワザと乱れたままにしているのかと私は思ってしまう。

 ハハ…

 ちょっと考え過ぎかなぁ?

  でも和也ったら馬鹿みたいに鼻の下長くしちゃって上機嫌だから、実際にそう思っているかもしれない。

 オトコって、こんな単純な面をも持ち合わせているのだ。

 そんな単細胞男の1人の和也だけどね。

 彼女の本性や秘密を知ったら、きっと和也はショック受けちゃうかもしれない。

 あまりのショックで落ち込んでしまうかも。

 小出さんの方は相変わらず、会社内では清純さを持つ可憐なお嬢様を装っている。

 でも私は、騙されないから。