同じ頃、小出めぐみは男とホテルにいた。

 男の名前は唐沢隼人と言い、藤瀬和也より1つ年下の独身。

 めぐみのもう1人の彼氏でも有るのだ。

 隼人とお泊りデートするのは久しぶりである。
 仕事や私生活の忙しさが理由だけど、藤瀬和也と付き合うのが多いから隼人とゆっくりと語らう機会が少ないのだ。

 同時に他の2人の男と交際している事は隼人には内緒にしていた。

 和也にももちろん、バレないようにめぐみは心がけている。

 3人それぞれに対して顔や性格を使い分けるなんて、正直言って疲れるとめぐみ自身はボヤく事も有る。

 でも自分はモテモテであると言う優越感に浸れるのだから、こんなスリル感も悪くはない。

 隼人は外資系の企業で働くサラリーマンで、学生の頃は不良で通っていた事も有りワルの一面を覗かせる事も有る。