小出さんはチラッと自分の腕時計を見て時間を確認した。

「まあだ、何か聞きたい事があるんですか? 私はもう、仕事に戻らないと」

「もう結構だよ。ありがとう、ごめんなさい」

 トイレを出る私と小出さん。

 私はちょっと、冷やかし感覚で質問をしてみた。

「今夜も、和也とデートなのかしら?」

「!」

 一瞬、立ち止まった小出さんだけど全く無視。

 立ち去る彼女を、私はジッと見つめた。

 実は私、一番知りたい事を質問してみたいと思っていたのだ。

 でもどうせ、小出さんはちゃんと答えてはくれないだろう。

 今はその事については、自分で確かめてみようと考えている。

 え?

 どんな事かって?


 小出さんには、和也の他に付き合っている男性がいる事をである。