「そう、私は真面目なの。和也の事、心配しちゃうし」

「心配してくれるんだ？」

「当たり前じゃなーい。恋人同士なんだし」

「だからと言ってよ」

「私の言う事は、素直に聞いてちょうだい」

「悪いな、タバコだけは」

「ダーメ。世間では禁煙が重要視されているんだから、和也もスモーカーを卒業しなきゃね」

「世間は世間、俺は俺だよ」

「ったくもぅ」

「お前から禁煙しろって言われると、俺ってば余計に吸いたくなっちゃうんだよなぁ」

「体悪くするよ？」

「どう、悪くなる？」

「肺ガンになっちゃうかも」

「なりません」

「あのねぇ」

　屁理屈を言う俺に、美咲は呆れ顔である。

　思わず、俺の頭を素手でパチンと叩いて来やがった。

　俺はムッとなって、言い返す。