「嘘だろう?」

「ホントだよ。小学生の時にクラスでイジメに遭って、内気な性格になっちゃったの。誰からも相手にされなかったし友達も出来なかった」

「ずっと1人ぼっちだったってワケか?」

「そうね」

「今のお前から想像出来ないよね」と俺ってば、小出さんと同じ事言いやがんの。

 俺の問いに小出さんは説明する。

「和也は大学時代でも暗かったみたいだけど。私の場合はね、大学に入ってからはこのままじゃいけないって思って自分を変えたの。嫌な事に遭遇しても、明るく振る舞おうってね。結構苦労したけど、段々と回りも変わって来て友達も増えたんだよね」

「それで、今の小出めぐみが有るんだ。お前も結構、苦労人なんだなぁ?」

「和也だって、そうじゃない。お互い様だよね」

「うん」