--藍side--
あっけなく終わった告白をして
家に着く
ドアを開ければ
「おかえりー」
母が決まって言う
でも、今日は返事
出来なかった
しなかった
「あらー、おかしいわねー」
そんな母の言葉も
藍の耳には入ってこない
すぐに自分の部屋へと向かう
制服のまま
着替えずベットに倒れ込む
知らず知らず、涙が頬を伝っていた
「・・・・っ」
声にならない声が
口から洩れる
嬉し涙しか流さないと決めたあの日を忘れ
今日の涙は悲しみへと変わっていく
誰も気づかない自分の感情が
独り寂しく、
部屋の中で溜まる

