「もう…かずくんのせいでわたしも怒られちゃった…」


ぷくっと頬を膨らませながら、席に着く。

生憎、俺とみなみは席も隣り。


遅刻に対してぐちぐちと文句を言うみなみを俺はなだめる。



「ごめんって、でもみなみだって起きるのが遅いじゃん?」


「だって、眠いんだもん」


「一人で起きれるようになれば?」


「えーやだあ、かずくんが起こしてくれないと起きれない」



・・・ったく、俺がいないと何にもできないんだから。

だが、そんなところも愛おしいと思う


可愛くて、可愛くて堪らない



「じゃじゃーん!」



みなみが俺に差し出してきたのはキャンディ

俺は差し出されたソレを受け取ると、みなみは笑顔で「一緒に食べよ」と言ってきた。


口に含むと、いちごの甘さが口の中で広がる



「かずくんにはイチゴは似合わないよね」


「うるせえ」


「かずくんはレモン!って感じ」


「だって俺、レモン大好きだもん」


「うん。知ってる」





まるで和樹の全てを見透かしているような口調でみなみは話す。

というか、みなみは全て分かっている。

和樹の全てを。



「バカにしないでね?わたし、かずくんのことならなーんでも知ってるんだからね?」

「まじか」

「うん!だって、かずくんはわたしの相棒だもんね」

「ハハッ、せやな」



.