「お前等はまったく何度言えば分かるんだ…」
怒りで震える教師の手。
クラスの奴等は「またかよ…」と声を並べる。
「いい加減、遅刻癖を直せぇぇぇえええっ!!!!!!」
教師が怒りを込めて黒板を叩くと、ヒソヒソ話していたクラスの奴等も身体を震わせて黙りこくる。
だが────…
「だってね、かずくんが悪いんだよ? わたしをもっと早く起こせばよかったんだから」
反省の色まったく無しのこの少女。
俺が遅刻をしてしまった張本人。
クラスの、いや、学校の姫。
────原田みなみ。
「先生!わたしは悪くないです!悪いのはわたしを起こすのが遅い、かずくんですっ!」
「じゃあ、二人別々で登校しろ!!!!!」
「えーやだあ」
そう、俺はみなみといつも一緒に登校している。
別に付き合っているわけじゃない。
ただ、みなみが俺にとって欠かせない存在だから。
親友のような妹のような…曖昧な関係
親友というか、相棒。
そう、相棒だ。うん。
だが、俺はその相棒に────
「これからはもっと早く起こしてね!」
─────恋、をしている。
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