―――――――――― ―――――――― ――――― 風が前より私に優しくなった。春が来たのだ。 暖かくて優しい日の光が注ぐある日、私は月に一度の入浴の為、塔から出る事を許された。 ―キィィィ…ガチャン 「……あ………」 塔を一歩出ればそこは美しい花々で埋めつくされていた。 なんて綺麗なんでしょう… そんな事が何よりも嬉しくてまた涙が溢れた。 私が生きているのだと実感出来た。