「…ユーシス……。
私は消えたりしませんよ…」
でも何故でしょう……
この人を…悲しませるのは嫌だと思う自分がいます…
こんな嘘………
ついてしまう程にこの人の心が傷付く事を恐れてる。
「悪いな、変な事聞いた!
俺、ファリアにプレゼントがあるんだ!!」
ユーシスは企んだように笑い、私に目をつぶるように促す。
「…ユーシス……?」
視界が見えなくても、ユーシスが私の髪に触れるのが分かる。
ユーシス……
もしかして私が髪止めを気にしていたから買って…?
「…あれ?付かねぇ!!
こうか?あれ?」
奮闘しているユーシスがおかしくて、私は目を開けた。
「あ、目開けるなって!!」
「でも…ユーシスがくれるプレゼントを見てから飾りたいですから…」
そう言って笑うと、ユーシスは頬を赤く染めた。
「か、鏡とか無いしな!!
分かった!!」
ユーシスから受け取った
髪飾りを見て笑みがこぼれる。
私と同じ瞳の瑪瑙(メノウ)の髪止め…
私が見ていたのとは違うけれど、ユーシスの選んだ瑪瑙の髪止めを愛しく思う。
私はその髪止めで長い白銀の髪を綺麗に止めた。
「ユーシス、どうでしょうか?」
ユーシスに向き直り、髪止めを見せると、ユーシスは恥ずかしそうに私を見る。
「な…んというか……。
可愛い…って恥ずかしすぎる俺!!!」
片手で顔を覆ったユーシスに私は笑みを浮かべた。
「大切にします…。
私の初めての宝物です…」
私の言葉にユーシスは笑みを浮かべた。


