「お?気に入った物でも
見つけたか!?」


ユーシスが私の視線を
辿って髪止めに気付く。


「あれか!
ちょっと待ってろ!!」


そう言ってユーシスは
お店へと向かって走って行った。


「ユ、ユーシス…行ってしまったみたいですね…」


気を使わせてしまったでしょうか……


不安になってユーシスの元へ行こうとした瞬間ー…


―ドンッ


「あっ…」

「っ!!?」


誰かとぶつかり、その反動で尻餅をついた。


「す、すみません…」


咄嗟に謝り、顔を上げるとそこには……


「…………っ!!」


相手も驚いたように私を見下ろしていた。


「あなた…は……?」

「君…は……?」


同じ白銀の髪に碧の瞳をもった少年が自分を見つめている。


まるで鏡で自分を見ているような…


「ロイ、何をしてるんだい?」


ロイと呼ばれた少年の後ろから、黒いシルクハットをかぶった癖のある黒髪の男性が現れる。