「フィリア…君も代償を払いすぎた…か…」
兄さんは片手で顔を多い、私の手を握る。
「ユーシス…。君はフィリアの代償を…」
「聞いてません。フィリアの代償って…」
「……感覚、感情の喪失」
ロイ兄さんの言葉にユーシスは眉間にシワを寄せる。
「それは…どういう…」
「人として生きていく為には感情、感覚は切っても切り離せない。それを全て失ったら…」
人として欠落してしまう。すなわち…
「心を失うという事だ。何も感じず、ただ心臓が脈を打つだけの抜け殻になるって事だ」
「そんな……」
ユーシスの手が震えていた。
「フィリアは僕たちとは代償が違う。僕たちには肉体の死を、フィリアには心の死を代償としたんだ」
それは結果的にフィリア・ガーラントの死を表す。
「フィリアの心が…」
ユーシスは私を強く抱きしめた。
ユーシスの温もりに体に感覚が戻ってくる。
今はまだ……
心を失うわけにはいきません。
まだ……
死ねません……
「…ユー…シス…」
「フィリア!!」
ユーシスは泣きそうな顔で私を見つめる。
そんなユーシスに私は笑みを向けた。


