-astral-星に捧ぐ少女



「さっき、あんたの力を受けた時、途中で力を抑えたよな」

「っ…なんの…事だ…」

「ごまかすなよ。あんたはフィリアを傷つける事を迷ってる。なのになんでお前は戦うんだよ!!!」



私を…傷つける事を迷って……?


「兄…さん……。本当に…?」

「…違う…僕は……」


違うと言いながらロイ兄さんは泣きそうな顔をする。


「ロイ」

「!!!」


ロストに名前を呼ばれた瞬間、ロイ兄さんはビクッと体を震わせた。


「あーあ。君もまだ迷ってるの?」


ロストは呆れたようにロイ兄さんを見遣る。


「この世界、壊してまで守りたい者がいるんでしょ?」


「っ……」


世界を壊してまで守りたい者……?


「フィリア・ガーラント」

「!!!!」


ロストが私の名前を呼んだ。


それだけで体が恐怖と怒りに震えた。


「君のせいでロイは世界を壊すんだよ」

「…私の…せい……?」


私のせいでロイ兄さんは世界を……?


「フィリアは関係ない!!勝手な事を言うのはやめてくれ!!」


兄さんがさっきまでの無表情を崩し、怒りをあらわにした。