-astral-星に捧ぐ少女



「その共鳴音をテレサさんのアストラルで探し出せれば…」

「フィリアの兄さんも見つかるって事だな!!」


興奮したように声を上げるシエルナに、エイゼ様は頷く。


「共鳴…私は何をすれば良いのですか?」


私自身、自分の力の事を良く知らない。


翼が生えたり、光を放ったり、傷を癒したり、大地を蘇らせたり…


皆のように一つに定まっていない。


「フィリアさんはただ願えばいいんだ」

「…願う……?」


そういえば……
白銀のアストラルはいつも私に問う。


"汝の願いは何か"と…


「アストラルというのはね、主を選ぶ。そして、永遠にその血筋を選ぶアストラルもいれば、興味を示した者を選ぶ者もいる。でもね、私達は違う」

「…違う…ですか…?」


そういえば…
私達は生まれ変わっても同じアストラルに選ばれていると言っていましたよね。

「私達はロストアストラルが認めた"魂"だから転生しても同じアストラルに選ばれるんだ」


ロストアストラルに認められた魂…


それが私達なのですね…


「それは、世界が創造されたその瞬間から定められた永久の絆です」


絆…私達とアストラルの繋がり……


「そうだよ。記憶は受け継がれなくても、アストラルとの絆だけは継承する」


それがロストアストラルとその使い手の関係…


「そして、ロストアストラルはその力にあまり枠組みを持たない」

「枠組みを?」

「そう。現に私のアストラルは時に干渉する他に千里を見通す力がある。他にも記憶にすら干渉出来た事もあったね」


エイゼ様の力はずっと未来を見る力だと思っていましたが…


千里や想いを見る事も出来たのですね…