「それはおそらく…ロストだろうね」
「っ!!!」
その言葉に私は目を見開いた。
ロスト!!!
やはりあなたなのですか…
「ロスト…?」
テレサは首を傾げている。
「彼も昔はロストアストラルの仲間だったんだ」
ロストが…?
私達と同じロストアストラルを??
「彼は拒絶のアストラルの持ち主で、この世界の要らぬ部分を拒絶し、取り除く役割を果たしていた」
「では彼も、輪廻転生しているという事ですか?」
テレサの質問に、エイゼ様は頷いた。
「…詳しい事は私にも分からない。でもね、彼は私達と同じ存在であるのは確かだ」
エイゼ様は未来を、過去を見る。
エイゼ様の言った事は事実なのだろう。
「ロストは世界を壊すよ。いつか、君にそう告げたように…」
「!!!」
時間を巻き戻す前も、私は同じようにロストに会っていたんですね…
「私達がロストの元に揃えば、世界の主導権はロストのモノになる。これがどういう事か、わかるかい?」
そんなの…
恐ろしくて考えたくありません…
「神になる…」
テレサが呟いた。
神…
人が神になる…?
「そうだよ。ロストが支配する世界に、果たして人が生きる未来はあるのか…」
そんなの…無いです。あるはずがありません…
世界は無に還る……
この目で見ました。
あの惨状を、あの虚無を…


