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「おい、ユーシス」
「ダンテ?何だよ、俺、今からフィリアの所に…」
ずっと離れてたんだ。
近づいては離れて、そんな繰り返しで…
だから、出来る限りフィリアの傍にいてやりたい。
ずっと…孤独だったから…
「あいつから目を離すな」
「は?」
ダンテの視線の先には、遠くを見つめるフィリアの姿があった。
フィリアから目を離すなって…
「どういう意味だよ?」
「あいつ、狙われてる」
「狙われてる?」
ダンテは頷き、大広間であった事を話した。
「ロスト…?」
「俺にも思い当たる節はねぇが、実際アデルシア帝国の裏にいたのはそいつだ」
今回、フィリアをさらった事に関与してるってわけか。
「あいつは心当たりがあるみたいだかな」
「知り合いって事か?」
「聞いたが答えなかった」
フィリア………
フィリアはまだ何かを抱えてるのか?
まだ…俺には話せないのか?
「フィリア…」
海を見つめるフィリアを見つめる。
「…俺も…あいつには借りがあるからな。あいつの事は気にかけておく」
「ダンテ…」
「お前も目を離すな。でなきゃ…俺があいつをもらうぞ」
「は!!!?」
ダンテは不敵に笑い、船室へと戻って行った。
こいつ!!!
フィリアの事狙ってたのかよ!!
ぜってぇに渡さねぇし!!
でも…
フィリア……
出来るなら、俺を頼ってくれ。俺は、もうフィリアに剣を捧げるって決めたんだ。
フィリアだけに…
だから…
「俺がお前を守るから…」
ずっと傍で…
お前の笑顔を守りたい。


