「…伝言だ。お前に伝えろってな」
「伝言…ですか…?」
一体何を…
何をしようと言うのですか…ロスト…
「お前を迎えに行くと」
「っ!!!!」
私をっ…迎えに…!!?
「おい、震えてんぞ。大丈夫か?」
……ロスト……
また繰り返そうというのですか…?
あの惨劇を…
「フィリア…?」
「!!!!…すみません、何でもないのです…」
「………」
疑うように私を見るダンテから目を逸らした。
「お兄様!!!」
船に降り立つと、テレサが泣きながらダンテに抱き着いた。
「心配かけたな」
テレサの頭を、ダンテは優しく撫でた。
「すげぇなお前!!!」
すると、グランが私に駆け寄ってきた。
「すごい…ですか……?」
何が…でしょうか…??
私が首を傾げると、隣にいたカースさんがグランの頭を軽く小突く。
「煩いよ、グラン。フィリアさん疲れたでしょう?少し休んで」
カースさんが私の頭を優しく撫でた。
…お兄さん…
お兄さんとはこういうものなのでしょうか…
ふと、ロイ兄さんの事を思い出す。
私と同じ白銀の髪と碧の瞳をもつ私の対…
「…ロイ兄さん…」
海の地平線を見つめ、孤独なあの人を想った。


