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―アデルシア帝国、大広間
「…どういうつもりだ、ダンテ」
「どうもこうもねぇ…。俺はお前の敵だ」
ダンテ…意味わからねぇよ…
なんでお前が、フィリアをさらった連中の仲間に なってんだ!!
「…待ってユーシス。ダンテにも事情があるみたいだ」
「事情?」
その言葉にホッとする。
ダンテ、自分で望んだわけじゃないんだな?
「…読心のアストラルか」
ダンテは冷淡な瞳で俺達を見遣る。
「ダンテ!!俺達は仲間だ。お前が苦しんでるなら俺達は絶対に助ける!!」
「…お前等には何も出来ねぇよ…」
ゆらりと、ダンテは剣を構えた。
剣!?
いつもの手甲掻きはどうしたんだ??
「ダンテはアデルシア帝国で独眼竜、隻眼の英雄と謳われた騎士だ。お前達には相手にならないだろうな」
灰色の瞳と髪を持つ男が、口を開いた。
「誰だ?」
「俺の名はシド・ラッサ。アデルシア帝国騎士団の騎士団長をしている」
…アデルシア帝国の騎士団長…
隊長クラスまでいくと、俺とカインだけではキツイだろうな。
だが…俺達も引き下がれない。
「…・俺は聖クロード騎士団、特別騎士団所属、ユーシス・コートだ」
「同じく特別騎士団所属、カイン・ディグラス」
俺とカインは剣を構える。それに合わせてダンテとシドも剣を構えた。
「ダンテ、お前はおれが連れ戻してやる」
こうなったら力ずくだ。
「…笑わせるな」
―ダンッ
勢い良く地面を蹴る。
「ダンテーーー!!!!」
「…」
―ガキンッ
ダンテ!!!
お前は絶対に俺が…
そんでフィリアを迎えに行く!!!
あらたに意志を固め、剣を振るった。


