「それから、侵入者があったとか…。お兄様とは親しい間柄かと…」
「…ユーシス…ユーシスです!!」
確信があった。
あの人が…助けに来てくれたに違いありません!!
「お兄様…私のせいで…」
「テレサが悪いわけでは…」
「違うのです。私は、あの方を愛しておりました…」
あの方………
ラドナ国王を…ですか!?
それからテレサはそのいきさつを聞かせてくれた。
「お兄様は私のせいでラドナ国王を裏切れずにいます。誤解を解かなくては…」
「そうでしたか…。辛いのに、話して下さってありがとうございます…」
「フィリアには、聞いて欲しかったのです。私の過ちを…」
過ち…はたしてそうなのでしょうか…
人を愛する事…
それが罪だったのでしょうか…
「私には…難しくてわかりませんが…。誰かを愛する気持ちが、罪なんてこと…無いと思います。テレサのその気持ちは…罪などでは…」
「……フィリア…ありがとうございます…」
テレサは私に抱き着き、しばらく泣いていた。
私はテレサの背に腕を回す。
テレサの傷が…少しでも癒えますように…


