「ここから逃げましょう!シエルナを探して、ロードシア大陸へ行くんです」
「…ここから…逃げる…?みんなで…?」
私は強く頷く。
何も出来ずに、大切な人が死ぬのは嫌です…
頭の中に浮かぶのは、ユラの顔だった。
私を思い、最後まで道を示してくれた人…
もう…失いたくない。
私をあの檻から助けてくれた仲間達のように、今度は私が守ります。
「未来も、運命も変えられます」
私にそう教えてくれた人達がいますから…
「行きましょう、テレサ!」
私はテレサに手を差し出す。その手をテレサは恐る恐るとった。
その手を強く握り締める。
「シエルナも一緒に」
テレサの言葉に私は頷く。誰ひとり欠けることなく…
「私がシエルナの場所を探します」
「テレサが…ですか?」
「私のアストラルは世音のアストラル。どんなに遠い音も聞き取ります」
世音のアストラル!!
それがテレサのアストラル…
「代償は大丈夫なんですか?」
「私の代償は、記憶の消失です」
記憶……。
記憶は人格を構成する上で最も大事なもの。
それを全て失えば…
テレサはテレサで無くなる。テレサという人格が死ぬことを示している。


