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「…んっ………………」


ゆっくりと浮上する意識に、私は睫毛を瞬かせる。


あぁ…また夢を見ていたのですね…


頭がぼんやりとします。
まだ夢の余韻に浸っているのかもしれません。


起きなくては…………
早く………

「大丈夫、無理をしないで下さい。今は安全ですから…」


………え………?


今…声が………


「すみません、驚かせてしまいましたか?」

「!!!!!?」


―ガバッ


明らかに私の心の声と会話するその声に驚き、飛び起きる。


そこにはベッドに横たわる私をのぞき込む少女がいた。


深緑の髪と瞳…………
癖が無く、長くて真っ直ぐな髪が森の精を思わせるその人は、私の知る誰かを連想させた。



同じ深緑の髪と瞳を持つ隻眼の男性……


…ダンテだ!!!


そうです、私はあの時ダンテと捕まったのでした…


ダンテは無事でしょうか…


「…ダンテ………?」

「え…………?」


そう呟いた少女に視線を向けると、驚いたように目を見開いていた。


「ダンテ…ダンテとはダンテ・ハイベルトの事でしょうか!?」


少女の言葉に今度は私が驚く番だった。


「…ダンテを知っているのですか!?」


私の問いに少女は涙を流し、何度も頷く。


「私はテレサ・ハイベルト、ダンテ・ハイベルトの妹です」

「妹っ!!!?」


ダンテに妹がいたのですか!



でも納得する自分がいる。それ程にテレサさんの容姿はダンテにそっくりだった。


「あぁ…お兄様は生きていらっしゃるのですね…」


「多分…いいえ、生きています。ダンテはとてもお強いですから…」


あの人が死ぬなんて有り得ない。


「本当に良かった…お兄様が生きていてくれたなら…それだけで……」


涙を流し続けるテレサさんの手に優しく触れると、テレサさんは笑みを浮かべた。