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―5年前


17になったばかりの俺、ダンテ・ハイベルトには、3つ下の妹がいた。


「おいテレサ、お前、今日は城へ行くのか?」


剣を腰にさし、靴を履きながら尋ねる。


「だって、今日はラドナ国王様の生誕パーティーですもの!!」

「…へー…」


意気込むテレサに俺は適当に返事を返す。


どうやら14になる妹のテレサは24という若すぎる国王様にご執心なようだ。


「行くに決まってます!!今日こそは一言でもいいからお話をするんですから!!」

「…ほー…」


相当浮かれてやがるな…


目をキラキラさせてるのが見なくても分かる。


「沢山お洒落をして、一目でも目に止めてもらえたら…」


「…へー…」


「お兄様!!!!聞いてきたのはお兄様なのに聞いていれば先程からへーとか、ほーとか…」


やり過ぎたか……


でもまぁ、あの胡散臭い国王の話なんか面白い話しじゃねぇからな。