「あなたの傍へ行けたらいいのに…」
そうしたら私は………
あなたの居場所はここだと言ってあげられるのに…
ユーシスが私に居場所をくれたように、今度は私が……
あなたを支えたいのに…
「フィリア!?」
ぼんやりと空を眺めていると、ユーシスが宿から出て来た。
「ユーシス…」
そのままぼんやりと名前を呼ぶと、ユーシスは慌てたように私の肩を掴む。
「体調は!?なんで外に出て…」
「すみません。ただじっと横になっているのが恐くて…」
ユーシスの言葉を遮り、私は苦笑いを浮かべた。
随分と心配をかけてしまったようですね…
「恐い…?何か、あったのか?」
やっぱり…心配をかけてしまったようです…
「いいえ、ただじっとしていても、気が滅入るだけなので気分転換をしようかと」
"代償のせいで"とは言えなかった。
ユーシスや皆に迷惑がかかるのがわかっているからだ。
「気分転換もいいけど、無理するなよ?気分が悪くなったらすぐに寝かせるからな」
そう言ってユーシスはドカッと私の隣に腰掛けた。
「フィリアも座れって」
「は、はい…」
促されるまま隣に腰を下ろす。
ユーシスは私の気分転換に付き合ってくれるようです…
それが何だか嬉しくて、自然に笑みが浮かんだ。
「お、何だっ!?なんか嬉しそうだな」
私の顔を見て、顔を赤らめながらユーシスはぎこちなく笑う。
嫌だ…気づかれてしまいました……
そう思うと自分の頬も紅を差したように赤くなる。
「あの…ユーシスと一緒にいれるのが嬉しくて…」
隠す事なく素直にそう伝えると、ユーシスはフイッとそっぽを向いてしまった。


