「…いつか…永遠に眠り続ける……」

「っ!!…それはっ……」


代償…なのですか……?


「長の命令に従い、巫女様は力を使い続ける。自らを蝕む呪いに怯えながらも平気そうな顔をする。時折…あなたと同じように絶望を映したような瞳をするの…」


私と同じ……?
あの翡翠の瞳には絶望なんて見えなかった。


私の気付かない所で、ユラさんは何かに絶望しているのかもしれない。


少し強すぎる力は持ち主に幸せも与えるがそれ以上に不幸を与える。


「私は…あの人を救いたい。それが出来るのは長だけだわ…。その為なら私はこの手を血に染める」

「…アイリス………」


私は名前を呼ぶ事しか出来ない。今の私に、アイリスにかける言葉なんて見つからなかった。