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「…っ…………」


人の気配を感じて私はパッと目を開ける。


「…ぁ…私……」


眠ってしまったんでした…今は何時でしょうか…


「やっと起きたわね」

「!!!」


突然聞こえた声に肩がビクッと震えた。


振り返ると……


「…アイリス?」


扉に背をもたれて立つアイリスを見上げる。


「長があなたをお呼びよ」


長…が………


今日が面会の日だという事をすっかり忘れてた。


「今行きます」


そう言って立ち上がる私をアイリスは少し驚いたように見る。


「冷静…なのね。恐ろしいとは思わないの?」


恐ろしい……?


「あなたを殺すかもしれない人間に会いに行くのよ?」


そういう…意味ですか…


「私は…殺されようが、幽閉されようが構いません。今の私に…失うモノなんて無いですから…」


この世界に私は必要無い。むしろ迫害されるべき存在だ。


「…そう…。なら行きましょう」


アイリスはスタスタと部屋を出る。


私もそれに従い、部屋を出るのだった。