「お前には守らなくちゃいけないモンがあるだろ!!」
俺の言葉にカースは呆気に取られたように目を見開く。
「お前にはまだ大切な家族がいる。傍にいてやれ、失った両親の変わりにお前が傍にいてやらないでどうすんだ」
その言葉にカースは困ったように笑った。
「…ユーシス…お前が俺の心配をしてくれるのは嬉しい。でも…マリアにも言われたんだよ、ユーシスお兄ちゃんをよろしくってさ」
「なっ………」
俺は何も言えなくなる。
カースの妹、マリアは何故か俺に懐いていた。
「可愛い妹にそう言われたら叶えるしかないしね?」
茶目っ気たっぷりに片目をつぶるカースに俺は苦笑いを浮かべる。
「お前には勝てねぇよ」
―ゴツン
そう言って俺達は拳をぶつけ合う。
「決まりだね」
カースの一言に俺も頷いた。


