『彼等は敵よ、殺りなさい』

「…………………」


敵…敵は消さなくてはならない……


私は…許されたい……

この力のせいで失われた命達…

また私は誰かを不幸にする…
行かなきゃ……あの場所へ…


「白銀の…アストラル」


私は両手を前へと出して瞳を閉じる。


『…フィリア…自分を失ってはいけない…』



不意に声が聞こえた。
美しい鈴の音のような声…


「あなた…は………」

『我を忘れたか、愛し子よ…』


知らない…知らないはずなのに……


懐かしい声………


あなたは………


「今だ!!」


ダンテは私との間合いを一気に詰め、首をトンと叩いた。


「…ぁ……………」


遠ざかる意識の中、ユーシスが私を呼ぶ声が聞こえた。


「フィリア…ごめんな…」


私…今誰かに抱きしめられて………



「苦しかったな…ごめん…フィリア…」



ユー……シス………?




なんで謝るのですか……?
あなたは何も悪くない。
どうか………



「泣かない…で…下さ…」



そう言ってユーシスの頬へと伸ばした手は空を空振り落ちた。