後ろから見る彼の黒髪は今日もキレイで。
大翔君は今、どんな表情をしているのか気になった。
『ねえ、詩織』
「はい!」
公園を曲がったところにある信号で止まって、いきなり名前を呼ばれる。
まだ大翔君怒ってるのかな、とか色々考えていたあたしは、思わず大きな声を出してしまった。
『なんで敬語なの』
「ごめんなさい…」
『ほら、また』
そう言った声色は優しくて、驚いて顔を上げると、口端を上げて微笑む大翔君と目があった。
わ、かっこいい。
それだけで頬が赤くなるあたしは何なんだろう。
『詩織』
もう一度名前を呼んで、あたしの背丈まで腰を屈める。
一気に近くなった距離に、あたしの心臓は速さを増した。
この距離、すごい!
