(…あれは…こっちが慌てるくらい大慌てやったもんな…ってか、学んでくれへんのかな…)

優希で一度経験しているにもかかわらず、この慌てよう
美紗子に学習機能はついているのか…優希はとても気になったが、今は目の前の状況を打開するのが先と判断した

「あのさ…暁も6ヶ月やねんから、風の1つや2つひくわ」

優希の一言にピタリと止まる美紗子
そして、優希の方にギギギと視線を向ける

「何で今まで風邪ひかなかったのに、6ヶ月になったとたん、風の1つや2つや3つひくのよ!?」
「(…増えてるがな…まぁ、えぇけどさ…)6ヶ月までは、母親からもろた免疫あるから風邪ひきにくいねん
やけど、その免疫も6ヶ月くらいで無くなってまうねん
これからは、赤ちゃんが自分で作っていくんや、やから風邪ひくねん」
「そ…そうなの!?重大な病気にかかったわけじゃないのね!?!」

優希の肩をガシッと掴む美紗子
優希は呆れながらも頷く
すると、美紗子は気が抜けたのか、座り込んでしまった
暁のことが心配なのは分かるが、過剰すぎである

(ていうか…『風邪移った』って言うたん自分やんか…何で重大な病気にまで昇格してんねん…)

美紗子が座り込んで動かなくなってしまったため、冷蔵庫から冷えピッタンを出し暁のおでこにはる優希
冷えピッタンのパッケージを見つつ思う事…

(…この1000年で冷えピッタンに何故名前が変わったのか…気になるんやけど…)

と、冷えピッタンの名前を気にしていたのだった
今日も子ども園には行けそうにないことを優希が悟のは、数分後…