「えーっと…まずは、ゲームをダウンロードして…」

優希は一番興味を惹かれていたゲームをダウンロードする
ダウンロード時間は30秒ほどで終了した…

(ホンマ早いよなぁ~)

時間帯が早いから回線が混んでいないのか…それとも混んでいてもこのスピードで出来るのかは分からない
だが、きっと後者だろう…この時代を侮ってはいけない…侮るつもりなど優希には無いが…
基準が1000年以上も前なのだ…仕方がない

「それから…ゴーグルの頭についてる赤外線と通信して…あ、ダウンロードは後でも良かったのか…」

説明書片手に、優希は準備を進めていく
赤外線との通信も一瞬で終わり、ものの5分もしないうちに準備が出来た
きっと慣れている人なら、もっと早くに準備出来るだろう

「終わったー…っと、説明書の最後がまだ残ってる…『ゲームを起動後、ゴーグルを装着してください…という表示が出てから装着してください』か…了解了解」

優希は説明書に返事を返し、ゲームの起動ボタンを押す
ちょうど、その時哲夫が優希の部屋に入ってきた

「お…自分でできたのか、凄いな!
このゲームか…よし、一緒にやるか!初めのチュートリアルが終わったら、そこから動くなよ!」
「ぇ…ちょ…」

優希が何か言おうとしたのだが、それを聞かずに哲夫は入ってきたドアから大急ぎで出て行った
言いたいことだけ言って出て行った哲夫に対し「はぁ」とため息をつき、気を取り直してパソコンの画面に向かう
そこには、『ゴーグルを装着してください』の文字が表示されていた
優希は準備の出来ているゴーグルをゆっくりとかぶる
ゴーグルは、昔のバイクなどのヘルメットと同じ形状なのだが、目の辺りを覆うものは透明ではなく、黒くなっている
他の部分に比べ若干薄いが、ゴーグルをはめて目を開けても、広がるのは真っ暗な空間だ

「…これで、どーやってゲームやるんかな…?」

優希が首をかしげていると、急に眩しくなり優希は目を閉じる
少しして光がおさまり、優希は目を開ける