(…ゲーム好きのDNAは遺伝してへん思うけどな…)

優希の意識は前世のものなので、主にDNAより前世の記憶に強く影響されている
3歳でゴーグルを使うことになったのも、前世でオンラインゲームをしていて、ただそれをしてみたいと思ったからだ
そもそも、優希自身がゲーム好きという人間に分類されているのだ
優希は、心の中で哲夫の意見を否定した
谷さんは、手際よくゲームソフトをレジに通していく
いや…レジの横にあるゲームソフトサイズの空間に積んでいるだけなのだが…
どうやら、下から順番にバーコードが読み取られ、読み取ったものはゲームソフトが通れる細い1㎝くらいの高さの細長いトンネルを抜けて店員の手元に届く
そして、そのゲームを店員さんが袋につめていく

「賀川さんにしては少ないですね~」
「そうでしょう?なのに優希の奴、多いって言うんですよ」
「いやいや、普通の人からしてみれば十分多いですって♪」
「そうですかね~」
(やっぱり、多いんだ…)

優希は谷さんの一言で、やはり哲夫の買う量は異常だと確信を持つことができた
哲夫は谷さんにお金を渡し、谷さんはレジにお金を入れて、おつりを哲夫に渡す
その後、2人は一言二言交わして、優希と哲夫は店を出た

「ん~、まだ朝早かったから、ライトアップはまだだったな~」
「…は?ライトアップ?」

帰りの車の中、哲夫は突然そんなことを言い出した
優希は、ライトアップの意味を引っ張り出し、首をかしげる
ライトアップといえば、夜に行われるものだ
朝早かったから…というよりも、夜じゃなかったから…の間違いではないのかと思う

「そう、ライトアップだ…店内が光輝くんだぞ~」
「…ミラーボールとか?」
「ミラーボールって…また大昔の機械だなぁ~
それじゃなくて、普通にライトで色んな形作ってだなー」
「…(大昔の記憶だもの…)」

優希は、哲夫言葉に反論しつつ、哲夫のよく分からない説明を右から左に流した
要約すれば、見れば分かる…という事だろう
そんな会話をしているうちに、家に到着
時間的に、美紗子も起きているだろう
美紗子が寝ていても、きっと暁に起こされているはずだ…お腹がすいて大泣きして…