「ほら、ノートパソコンよりパソコンだろ?」
「ぁ…うん」

ノートパソコンに興味を惹かれ、パソコンの事をすっかり忘れていた
まぁ、惹かれるのも仕方ないのだが…
優希は哲夫の声で意識をノートパソコンから、パソコンに移した

「ねぇ、コンセントにさすコードは?」
「ん?パソコンはコンセント必要ないぞ?」
「…は?」

優希は目が点になる
電化製品なのに、コンセントが必要ない…などと考えたことも無いので、哲夫の回答に言葉を失う
テレビや冷蔵庫など、周りにある電化製品はコンセントがあるのに、何故なのだろう…と優希の頭は軽く混乱した

「パソコンは移動させる物だからな、周りにある静電気やら、太陽光やら…色んなものを使ってパソコンが勝手に必要な電力を作るんだよ
固定される電化製品には一応コンセントはあるけど、それは発電で追いつかない電力を補うためのものだよ」
「…へぇぇぇ~…技術の進歩って凄いなぁ…」

哲夫の説明を唖然としながら、聞くしかできない優希
1000年も未来なのだから…と己を納得させる

「昔は…コードとかでゴチャゴチャしてたけど、今は基本的なものは内蔵されてるからね」
「…ネットに繋ぐコードも?」
「もちろん、内蔵されてる無線でコードいらずだよ」

そう言いながら、哲夫はパソコンの電源を入れる
すると、10秒もかからずに起動した

「うわ、はやッ!」
「そうか?遅い方だが…」
「……」

優希は、起動の速さに驚いたが、哲夫は遅い方だと言う
あまりにも差があり過ぎて、脳がパンクしそうな気がした優希だった