「はぁ…」

一時の危機は過ぎ去ったが、根本的な問題が解決していない
優希は、ため息をつき画用紙を見る
相変わらず画用紙は真っ白だ
そこに、一人の女の子がやってきた

「ねぇ、ゆうきちゃん」
「ん?なに??」
「なんで、おえかきしないの??」
「…!えっとね、絵が下手なの
ミイちゃん、お手本見せて?」
「うん!いいよ!」

女の子…ミイちゃんを見た瞬間、優希は解決策を思いつき、すぐに行動に移る
優希に『手本を見せてほしい』と頼まれたミイちゃんは得意気にクレヨンを握り画用紙にすべらせる

「こうやって、かくんだよ~」

ミイちゃんは描き終えた絵を優希に見せる

「うん、分かった~ありがとう」

優希がそう言うと、満足したのか…ミイちゃんは遊びに戻っていった
優希は内心ホッとした
何とか、今回の危機は脱せそうだ…と

「優希ちゃん、お待たせ…あら、描き終わったのね」

優希はコクンと一つ頷くと、その絵を美咲先生に渡す
そして、その場をそそくさと立ち去った

「はぁ…何とか乗り切った…」

言葉以外にも乗り切らないといけない事があることに気付く日となった
絵を描く…というのは分かっていたが
3歳っぽく…というのが難点だ
どうしようか…と考えながら、1日が過ぎて行った