(落ち着け…こういう時こそ霊力を探れば…)

目を瞑り、意識を集中させるリュート
リュートの周りを一時…静けさが包み込む
その沈黙は長く…

「ひっかからねぇ!!」

その沈黙は…

「てか、瀕死の場合ならひっかかるわけねぇ!!」

その…

「その前に、普通隠してるよな!?
敵に見つからないように隠してるよな!!?」

その沈黙は呆気なくリュートによって破られた
子どもの声により、公園内の人に聞こえはしなかったようだ

「う~~ん」

振り出しに戻ったリュート
一人、中央公園の出入り口付近で唸って考えている
その姿は怪しいことこの上ないが、幸いリュートのすぐ近くに人はいなかったし
公園内の人も気づいていない

「あれ?」

ふと視線を上げたリュートの目に映ったのは、血の痕
点々と大小様々の大きさの円形の血が地面にシルシを残している
それは、西側の森に続いている

「血痕…?…もしかして!?」

リュートは、すぐさまその血の痕を追い、西側の森に入っていく
血痕は点々と、森の中の草や地…そして、木の枝に残っている
森の木々を飛び移りながら、血を辿り進むリュート
この時、何も違和感を感じなかったリュート…
後に、それを後悔することになる…