HERETICAL KIDS

「おい!ジジィはどうなったんだ!!?」

今にもベッドから飛び出しそうな勢いのリュートを見て、まずその人は…

ゴスッ!!!

「いってー!!!!」

リュートの頭を殴った…
しかも、手加減なしの全力攻撃だった
リュートは再びベッドに倒れこみ、痛さのあまりベッドの上をのたうちまわった

「まったく…重症なんですから、飛び起きたり暴れたりしないでください」

重症患者を殴る医者がココにいた
しかも、自ら患者が暴れる要因を作っている
どう見ても、今のリュートは痛みにより暴れている

「重症患者を殴る医者が何処にいんだよ!!!」

若干復活したリュート
痛さのあまり目が涙目になっている
涙目になりながらも、医者と名乗る男を睨みつける
睨みつけの効果は、涙目で半減しているが…

「ココにいるじゃありませんか」

その医者は、至極当然のことのように言ってのけた
それは、まるで「医者が怪我の手当てをすることが当たり前」と言うような感じで
リュートは納得しそうになった

「おかしいだろ!!暴れる原因作ってどーすんだよ!!」
「我慢して暴れなければ良いんですよ」
「おい!!」

リュートは大きな声で、ツッコミを入れた
そして、内心…コイツは本当に医者なのだろうか…と心底疑った
リュートが疑いたくなるのも仕方ないだろう
医者として、治療しているところを見ているなら疑うことも無いのだが
治療しているところも見ておらず、起こした行動が医者と呼べるものではなかったのだから