HERETICAL KIDS

(っ!!?な…んで…
ぁ!!っ…しまった…)

この時、リュートは自分のあまりにも大きいミスに後悔した
後悔しても今更遅く、動かない体が動くようにはならない

(クソッ!何でこんなことに気づかなかったんだよ!!
単純なことなのに!!)

リュートは、動かない体でココに来るまでを思い出した

(あの時…あの血痕を見つけた時…結界の存在に気づいていれば
木々についた血痕がハッキリ確認できたことに、違和感を感じていれば…
こんなことには…)

そう、これは罠だったのだ
薄暗い中でも、はっきり見えた血痕は、誘うためにつけられたもの
今気づいたところで、一歩も動けない現状は変わることはない
目の前には血の気の無い首領
早く医者を連れてこないといけないのに、それが出来ないという悔しさがリュートの中を渦巻く

(とにかく…敵の位置だけでも分かれば…)

首も動かせないため、目だけを動かし見える範囲を確認する

(…やっぱ、見える位置にはいねぇ~よな…)

敵らしき人物を確認することは出来なかった
ただ生い茂る森の緑、その隙間から覗く木々の茶色…そして、空の青
視線を下に向けると、赤い色が目に入る
リュートが周りを見ていると、ココには無い色が視界を横切った

「っ!?」

一瞬では何か分からず、遠くにも見えたソレを目を細くして見る

(ピンクの…花…びら…)

初めは舞い散るように、数枚の花びらが舞っていた
しかし、次第に枚数が増え、ついには周りの緑を覆い隠してしまった