『占いの館』がガタガタと音を発している。 元の教室の姿に戻るときが来たようだ。 「受付組もちょっと手伝って」 教室から顔を出した由美子が、村井君を見て眉を顰める。 「お前じゃなくて、ハルを誘いに来たんだよ」 そう言って彼は甲斐君の肩に手を置く。 「何も言ってないじゃない」 由美子はぷいっと顔を背け、教室内に戻っていった。 なんだか今もお互いに気になっているように見えるのは気のせいだろうか。 「全く、素直じゃないねー」 言いながら甲斐君は村井君の頭をコツいていた。