距離を置かれているかもしれないと思うと、なおさら気になるもので、自然と甲斐君に目が行ってしまう。 話しかけようとしても、話題がない。 甲斐君と私を今繋いでいるものは、クラスメイトとして以外なら優ちゃんの存在だけだということを思い知る。 「甲斐君、あのさ」 かなり思い切って声を掛けてみる。 「ん?」 「今、付き合っている人とかっているの?」 甲斐君はちらっと私の顔を見て拍子抜けするように口を開く。 「お前が何でそんなこと、訊いてくんの?」 逆に問われる。