澄み渡る空の下、優ちゃんが退院した。
今日は家族揃って、家で母の手料理による退院祝いをすることになっていた。
久しぶりに四人で食卓を囲む。
田村さんとの婚約破棄も、栗木が起こした事件も、直哉も、甲斐君の存在も、この瞬間のために用意されていたものなのかもしれない。
形を崩しかけていた家族は、大きな壁を乗り越えて、また家族の形を作っていくものなのだと実感した。
そう思うと、ほんの少し、生まれてくることが叶わなかった優ちゃんと甲斐君の子供が救われるような気がした。
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