「きっと、彼もこれで気が済んだはずよ」

納得がいかない甲斐君は、自分が優ちゃんの妊娠の相手だということを名乗り出たいとまで言った。

しかし、これ以上両親に心配を掛けたくないと、優ちゃんに説得されて思い留まっている。

私も今、甲斐君のことを両親に話すのは待ってほしいと思った。

甲斐君がどんなに好青年だったとしても、この事実を知ったら、両親の心は穏やかではないだろう。