甲斐君はすぐさまにそのナイフを足で蹴っ飛ばし、ナイフはフローリングの上を滑り台所まで移動した。 「ふう」 両肩を下ろすように呼吸を整えた甲斐君は、優ちゃんに向き直り、優ちゃんの両肩を掴む。 「大丈夫?」 「……うん」 優ちゃんは何度も小さく頷いて、最後にやっと微笑んで見せていた。 すごい。 私は目の前で起こったことを、甲斐君の行動力と判断力に、尊敬すら感じて彼を見ていた。