兄のような優しさで、直哉はインターネットというものの目に見えない怖さと利点を私に教えてくれた。
それはどこか、優ちゃんから受けている優しさと似ていたのかもしれない。
直哉とのやりとりは、優ちゃんがもし男だったら、私は捻くれることなく彼女を慕うことが出来たかもしれないとまで感じさせた。
直哉に対して興味が湧いてきた私は、携帯電話のメールで自分の画像を送ったときに、直哉にも画像を送って欲しいと頼んだ。
渋々了承してくれた彼が、送ってくれた画像を見たとき、心の中で(アタリだ!)と思った。
胸から上の部分が写っていたその画像は、顔立ちと表情だけで直哉に好感を持つことが出来るものだった。
人は見かけによらないと言う大人も多いけれど、一目見て感じることも馬鹿には出来ないはずだ。
それから一ヵ月後に初めて動く直哉と対面することが出来たのは、偶然にも彼が私のアルバイト先に買い物に来たときだった。

