…キモいけど。





でも、しょうがない。

夕暮が同じクラスだったんだから。

俺が席に座ると、女子に囲まれた。

「ねぇ、名前は?カッコイイ~」

「あとで自己紹介すんだし、今言う必要なく

ね?前見えねぇから退いて」

「キャー」

「ヤバーイっ。Sだよ~」

なにがヤバい、Sだよなんだよ。

なにがヤバいのか、俺にわかるように説明し

てほしいんですけど。

「なに、このツンデレ野郎。ねぇ、奈央、本

当にコイツ知り合い?」

「ちょっと彩希っ。そんなこと言ったら失礼

だっ…」

話している、その女子の声は聞き覚えがあっ

て。

誰だかわからないのに、嬉しかった。

話してる途中で、俺をツンデレ野郎呼ばわり

した女に引っ張られて、前に出てきた。

「ちょっ、彩希~。いきなり引っ張らないで

よ~」

そうして出てきたのが、夕暮だった。