「じゃあ、ラスト。キスシーンから」
……キスシーン…
女の子なら、本当に自分がするわけじゃなく
ても、ドキドキするシーン。
『…剣人、優勝おめでとう』
『梨華…ありがとう』
そっと、優しい声で言った光輝クン。
それから…梨華と剣人がキスをする。
『…剣人、好き』
『俺もだよ』
『あたしのこと…離したら、許さないから。
約束…してね?』
最後に青空で終わる。
「カット」
「はぁ…」
「奈央ちゃん、もう少し雰囲気出して」
「…はい」
初めて…かな。
これ、NG?
…それより、雰囲気ってどうしよう。
あたし…キスなんかしたことない。
恋だって…
きっと、光輝クンが初めて。
わかるはずないよ…
「カット」
「カット」
「カット。一回、休憩いれようか」
「…はい。すいません」
「いいよ。一回、気持ちを切り替えて」
…どうしよう。
光輝クンは完璧。
あたしのせいで…みなさんに迷惑を…
「はぁ…」
このシーンの前、光輝クンと楽しく話したこ
の場所。
今は、悲しく感じる。
「…おい」
「…光輝クン?」
机に伏せていたあたしは、顔を上げずに返事
をした。
「…顔、上げろ」
「……」
話せない。
なんか、申し訳なくて。
一応、顔を上げた。
「オレンジジュース、飲まないのか?」
「…うん」
―ガタンッ
光輝クンは、少し乱暴に、椅子を引き、隣に
座った。
「んなことで、へこんでんなよ」
「…けど」
「俺だって、うまくいかないことだってある
し、それを乗り越えた上で、また成長するん
だろ?」
「うん…」
光輝クンが…優しい。
「お前もしかしてさ…」
「…ん?」
「キス…したことねぇの?」
「…うん。だって、今がはっ…」
言葉を言いかけた。
言葉を遮られた。
だって…
「…これで、イメージできるだろ?」
「こっ…光輝クンッ…」
……キ…キス…されちゃった。
しかも…しっかり、唇に。
はっ…初めて…
ファースト…キス…だ…
「…俺、先行ってっから」
…どうしよう。
わかんないよ…
光輝クンは、どういう気持ちでキスした?
あたしは…嫌じゃなかった。
わかっちゃったんだもん…
本当に光輝クンが好きなことに。
……キスシーン…
女の子なら、本当に自分がするわけじゃなく
ても、ドキドキするシーン。
『…剣人、優勝おめでとう』
『梨華…ありがとう』
そっと、優しい声で言った光輝クン。
それから…梨華と剣人がキスをする。
『…剣人、好き』
『俺もだよ』
『あたしのこと…離したら、許さないから。
約束…してね?』
最後に青空で終わる。
「カット」
「はぁ…」
「奈央ちゃん、もう少し雰囲気出して」
「…はい」
初めて…かな。
これ、NG?
…それより、雰囲気ってどうしよう。
あたし…キスなんかしたことない。
恋だって…
きっと、光輝クンが初めて。
わかるはずないよ…
「カット」
「カット」
「カット。一回、休憩いれようか」
「…はい。すいません」
「いいよ。一回、気持ちを切り替えて」
…どうしよう。
光輝クンは完璧。
あたしのせいで…みなさんに迷惑を…
「はぁ…」
このシーンの前、光輝クンと楽しく話したこ
の場所。
今は、悲しく感じる。
「…おい」
「…光輝クン?」
机に伏せていたあたしは、顔を上げずに返事
をした。
「…顔、上げろ」
「……」
話せない。
なんか、申し訳なくて。
一応、顔を上げた。
「オレンジジュース、飲まないのか?」
「…うん」
―ガタンッ
光輝クンは、少し乱暴に、椅子を引き、隣に
座った。
「んなことで、へこんでんなよ」
「…けど」
「俺だって、うまくいかないことだってある
し、それを乗り越えた上で、また成長するん
だろ?」
「うん…」
光輝クンが…優しい。
「お前もしかしてさ…」
「…ん?」
「キス…したことねぇの?」
「…うん。だって、今がはっ…」
言葉を言いかけた。
言葉を遮られた。
だって…
「…これで、イメージできるだろ?」
「こっ…光輝クンッ…」
……キ…キス…されちゃった。
しかも…しっかり、唇に。
はっ…初めて…
ファースト…キス…だ…
「…俺、先行ってっから」
…どうしよう。
わかんないよ…
光輝クンは、どういう気持ちでキスした?
あたしは…嫌じゃなかった。
わかっちゃったんだもん…
本当に光輝クンが好きなことに。

