。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

「お前、全く意味わかってねぇだろ。映画の

ために、本当の部活のマネージャーを見てこ

い。てか、体験しろ。いいな?」

「えっ…うん」

じゃあ、今日は…

あたしの映画撮影のために?

「てか、光輝。部活初じゃね?」

「あぁ」

「光輝、中学の頃から部活なんてだりぃっつ

って、やってなかったもんな」

「光輝クン、部活やってなかったの?」

なんか、意外かも。

なんか、すごくしっかりそういうのやってそ

うだし…

「あぁ。だるかったから」

「まっ、生徒会長を3年連続やったお前は、

部活なんて暇ないよな~」

「生徒会長?3年連続?」

「ったく。余分なこと言うな」

「でも、すごかったじゃん?3年連続とか、

光輝が初だったし」

「俺は、生徒会長なんかやりたくなかったん

だよ」

「まぁ、しょうがなくね?推薦されちゃった

んだし」

「…もう思い出したくないから、言わないで

くれ」

「すごいね!光輝クン」

「ほら、うっせぇし」

「だって、光輝クンすごいもん!!あたしも、

その中学が良かったなぁ…」

「それ、ここだよ」

「えっ?」

「ここ、中高一貫の私立なんだよ~。んで、

俺も光輝も受験して、中学からここ。で、こ

の前光輝が、転校したんだよ」

「そうなの!?」

「そう。だから、生徒会長は本当は高校生が

やるんだけど、光輝が3年間やってたんだ。

今年もやってたんだけど、転校したから」

「そうなんだ」

「んな話はいいから、早く着替えて来い。ど

っちでもいいから、マネージャーの仕事がで

きる格好してこい」

「うんっ」