その後も、平良は俺に付きまとってきた。

制服のせいで、俺の身元がわかったらしい。

ついでに、友達に名前呼ばれていたため、名

前もバレてしまい…

「マジ最悪」

毎日毎日、俺に近寄ってくる平良。

ウザくて仕方なかった。

その時に、ある女から声をかけられた。

「青葉先輩の声、すっごくカッコイイです。

青葉先輩は、声優とかになった方がいいと思

いますよ」

って。

お前は後輩なくせに、俺に生意気言うなって

思った。

思ったけど、やってみようと思った。

「平良さん、俺声優やります」

それが俺が声優になったきっかけ。






平良さんは、有名人だった。

映画の監督として。

だから、俺がやるアニメには関わりが全くな

くて、一緒に仕事をしたことはなかった。

で、この前やっときた、映画の話。

その監督は、平良さんで。

俺は、すっごく喜んでいた。

初めて平良さんと、一緒に仕事ができる。

それが嬉しかった。

でも、ちょっとムカついた。

俺とダブル主演なのは、一般でオーディショ

ンして決めるってことに。

あと、もう一人、素人がやることになった。

ふざけんな。

俺だって、映画の声優はできなかったんだ。

なんでそんな簡単に…

そう思ったけど、平良さんと仕事ができるか

らいいかって思った。